ここらで一つ、ランチェスターの法則をおさらい

ここらで一つ、ランチェスターの法則をおさらい

勝ち負けとは、「競合局面の力関係」で決まることは、前回のコラムでお伝えしました。ではビジネスにおける「競争」に対する「力」とはなんでしょうか?この「力」を理解し、コントロールするための法則がランチェスターの法則です。

 

 

ランチェスターの「第一法則」

 

ランチェスターの法則には「第一法則」と「第二法則」の2種類があります。

このうち「第一法則」とは、【戦闘力】=【武器効率】×【兵力数】で表すことができます。

例えば、狭い範囲の中での一対一の戦い、「局地戦」「接近戦」「一騎討ち戦」を想像してみてください。 近代社会だとゲリラ戦やテロはこれに該当するでしょう。

  • 【戦闘力】:相手に与える損害量
  • 【武器効率】:武器の性能や兵士の技量を数値化したもの

こう考えると、戦いの様が想像できるのではないでしょうか。

 

同じ武器や腕前で戦えば、兵力数が多いほうが勝ちます。

一方、兵力数が同じであれば、武器や腕前に優れたほうが勝ちます。

兵力数が少ない場合でも、兵力の比以上に武器効率が高ければ勝つことができるのです。

つまり、勝ちたければ武器を磨くか、兵力数を増やせばよいということです。単純にして明快ですよね。

ランチェスター戦略 第一法則 

 

織田信長と豊臣秀吉から見る「第一法則」

 

では、【武器効率】を追求した織田信長と、【兵力数】で戦った豊臣秀吉を例に上げて見比べてみましょう。

信長の場合、普段から兵士を鍛錬し、いかにして強い兵を育てるかということに余念がなく、 いつしか軍事訓練の中で「(一対一の戦いの場合)短い槍では具合が悪い」という事に気がつきます。

信長は、 「みじかく候ては悪しく侯」と考え、全ての槍を三間(さんげん:約5.4m)あるいは三間半柄(さんげんまなかえ:約6.3m)の長柄(ながえ)の物に代えさせたのです。

その結果、信長は圧倒的なリーチを付与したこの【武器効率】で、尾張の国を統一しました。

 

一方の秀吉の場合、総合戦においての連戦連勝の秘訣は、敵兵力を事前に把握した上で、それを相当数上回る兵力数を用意して戦ったことにあります。

兵力が3倍までの合戦では、味方もそれなりに損害を受けました。

ところが、兵力が5倍以上ともなると、直接的な戦闘行為は殆ど行われないままに敵が降伏しているため、味方の損害は殆どありません。

【兵力数】で圧倒すれば勝てるという当たり前のことを忠実に実行し、当たり前のように勝ったのです。

 ランチェスター戦略 弱者の戦略

 

信長は【武器効率】を 秀吉は【兵力数】を高めて勝利したのです。

 

 

ランチェスターの「第二法則」

 

F・W・ランチェスターが発見した2つめの法則「ランチェスター第二法則」は、 広い範囲で敵と離れて、マシンガンなど多数で多数を攻撃する武器を使う場合に適用される法則です。

現代の戦争のほとんどがこれに該当し、多数が多数を攻撃する近代以降の戦争のことを近代戦、 または損害が確率的に発生するので確率戦といい、その武器を近代兵器、確率兵器と呼びます。第二法則も、第一法則と同様、敵と味方の損害量を示す方程式ですが、結論はこうです。

 

第二法則とは、【戦闘力】=【武器効率】×【兵力数の2乗】で表すことができます。

 

広い範囲における、集団対集団で戦う「近代兵器を利用する確率戦」や、「遠隔戦」がこれに該当します。つまり、同じ武器効率で戦った場合の損害量は相手兵力数の2乗となるため、兵力数が多い方が圧倒的に有利になるのです。

 

 

「第二法則」の戦い

 

例えば、川を挟んで両方の岸から、バズーカ砲で打ち合う様を想像してみてください。

Aチーム5人とBチーム3人が同じ武器効率で戦った場合、

  • Aチームの損害量=1/5で当たる攻撃を3人から受けるので 1/5×3
  • Bチームの損害量=1/3で当たる攻撃を5人から受けるので 1/3×5
  • A損害量:B損害量=1/5×3:1/3×5

= 3/5:5/3 = 9/15:25/15 = 9:25 = 3の2乗:5の2乗

  • 損害量は相手兵力数の2乗となるのでA損害量の2乗=5の2乗-3の2乗= 25-9 = 16
  • A=4人生き残る

 ランチェスター戦略 第二法則

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、武器効率と兵力数の意味は第一法則と同じです。

違うのは、兵力数が2乗されることです。

上記の5人対3人の戦いだと、人数の差はたった2人なのに、2乗することで、5の2乗=25と、3の2乗=9で、 攻撃力の差がとても大きくなることから、兵力数の多い方が圧倒的に有利になるのです。

 ランチェスター戦略 強者の戦略

 

 

第二法則の戦いでは、ちょっとやそっと武器効率を上げても、はっきり言って無駄なのです。兵力数が勝敗を決めるといっても差し支え無いでしょう。ビジネスに置き換えるなら、弱者が強者に勝つことはできません。第二法則が適用される広域戦においては、兵力数の多い方が圧倒的に有利なのです。

もしも広域戦で、弱者が強者に勝つことがあるとすれば、それは強者の武器の数倍以上の効率を持つ、誰にも真似できないほど強力な武器で戦うしかありません。上記のイメージでいうならば、強者はバズーカ砲ですが、弱者は大型の戦車を引き連れてくる、あるいは空からのミサイル攻撃でもしないと勝てない、ということになります。

私たちはその意味を理解し実践することで成功へと大きく近づけるのです。

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