ランチェスター戦略 3つの結論その1 「No.1主義」

ランチェスター戦略 3つの結論その1 「No.1主義」

ランチェスター戦略には、決してブレない「グランドルール」が3つありますが、その話の前に、まずはその3つを導き出す、ランチェスター戦略のポイントをおさらいしてみましょう。

 

ランチェスター戦略〈思考的に押さえておくべきポイント5つ〉

 

ランチェスター戦略のグランドルールを導きだすポイントは、5つあります。

 

1.弱者と強者の関係

企業間の戦いは、競合局面の敵と味方の力関係で勝敗が決まる

2.占有率

敵と味方の力関係とは、すなわち「シェア(占有率)」

3.シンボル数値

自社を取り巻く競争環境が、現在どういう状況なのか、客観的に位置づけるシンボルとなるシェア数値は〈74.9%〉〈41.7%〉〈26.1%〉〈19.3%〉〈10.9%〉〈6.8%〉〈2.8%〉の7つ

4.「3:1」の法則

シェア数値の差が、射程距離圏外(第一法則では3倍以上、第二法則では√3倍以上)にまで引き離されると逆転は非常に難しくなる。

5.シェアのパターン

「分散型」「3強型」「2強型」「1人勝ち型」の4パターン

 

そしてこのことから、ランチェスター戦略のグランドルールとして【3つの結論】が導き出されます。

 

  1. No.1主義
  2. 一点集中主義
  3. 足下の敵攻撃の法則

 

です。今回は、この「No.1主義」についてお伝えします。

 

ランチェスター戦略のグランドルールその1「No.1主義」

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No.1とは通常、単純に1位のことをいいますが、ランチェスター戦略ではNo.1のことを特別な意味として使っています。No.1とは、2位を射程距離圏外であること、2位以外の追随を許さない、ダントツの1位のことです。

1位であったとしても2位との差が射程距離内であれば、いつでも2位にその地位を奪われる可能性があります。その地位は不安定で、収益は向上しないのです。

更に状況によっては、1位と2位が一騎打ちで激しく消耗戦を繰り広げる戦いとなることから、全く儲からない可能性も十分にありえるのです。

 

“なんちゃって1位”では意味が無い

 

IT業界のGMOインターネット株式会社(レンタルサーバー事業、ドメイン登録事業でNo.1)同社代表である熊谷正寿さんは著書「1冊の手帳で夢は必ずかなう」で、“なんちゃって1位”と“圧倒的な1位”を明確に分け、圧倒的な1位になる必要があると書いています。つまり、互角の相手と勝負すれば、双方共に消耗戦を余儀なくされ、自社、ライバル共に儲からず、ロクな事態にならないので、“なんちゃって1位”では意味がないと説いているのです。

No.1は儲かるようになっています。シェアがもし10%違うなら利益は2倍違うという説もあるくらいです。ランチェスター戦略では、単純な1位と圧倒的1位を別に考え、圧倒的1位のことを「No.1」と呼び、「販売目標のゴールとはNo.1」といっているのです。

 

No.1とそれ以外の会社との「圧倒的な差」とは

 

No.1とそれ以外の会社では、ピンチとチャンスの際に大きな差が生まれます。

例えば、コンビニエンスストアでドリンク剤や医薬品の一部が解放になったとき、1番恩恵を受けたのは、

  • ドリンク剤では大正製薬(リポビタンD)
  • 胃腸内服液では大鵬薬品(ソルマック)

です。

そう、業界No.1メーカーです。このコンビニ特需により市場は10%拡大し、その内No.1メーカーは約30%ものシェアを伸ばしました。市場拡大の多数をNo.1メーカーが取ったということです。

逆に以前巻き起こった国産牛(牛海線状脳症)のBSE騒動では、スーパーから国産牛肉がなくなったと同時に、焼き肉のたれコーナーも大幅に縮小されました。このとき、焼き肉のたれは各メーカー均一に縮小されたかというと、そうではありません。答えはNo.1であるエバラの焼き肉のたれが生き残りました。

そして騒動が治まり、いざ縮小されたコーナーが元に戻される際、気づけばエバラのシェアは以前より伸びていたのです。

 

つまり、No.1はチャンスにもピンチにも強く、No.1とそれ以外の会社では圧倒的な差が生まれるのです。

例えば、もし自社で原料の購買があったとして、取引先を絞らなければならないとき、あなたはどこからはずしますか?

業界1位の会社をはずすでしょうか?あえてはずそうものなら、相当な社内でのネゴシエーションが必要になるでしょう。業界1位を選ぶのであればそんな面倒は必要ないのです。

 

結論「弱者は競合局面ごとのダントツ1位〈No.1〉を目指せ」

 

企業トータルで業界No.1になることは強者の論理です。弱者は総合1位を目指さず、競合局面ごとの部分1位、それも部分のダントツ1位を目指すべきなのです。そのためには事業領域の地域、客層、商品群、用途などを細分化し、勝てる局面に一点集中しなければなりません。

当然、ビジネスとは営業だけではなく、契約、納品、回収、アフターサービスと何度もお客様先に足を運ぶものです。お客様先が狭い範囲に集中している場合と、広い範囲に分散している場合では同じ売上でも効率がまったく違います。地域を絞ることで収益性も上がるのです。

 

適した競合局面を選択して、ダントツの「No.1」を目指しましょう。

 

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