強者の戦略 イコール ミート戦略

これまで、「一点集中主義」「足下の敵攻撃の原則」など、弱者の戦い方をいくつかご紹介してきました。

では強者がとるべき戦略とは、どういったものなのでしょうか?

弱者は、弱者の行うべき差別化戦略を知るだけではなく、強者の常套手段も知っておけば、対策も立てやすくなります。それに、局面において自社が強者となる可能性もありますので、現在弱者であっても、強者の戦略は知っておくべきでしょう。

 

強者・弱者の定義のおさらい

 

まずは、ランチェスター戦略における、強者・弱者の定義のおさらいからです。

  • 弱者とは、競合局面において負けているシェア1位以外のすべての企業。
  • 強者とは、競合局面において勝っているシェア1位の企業。

以上が、ランチェスター戦略における、弱者と強者の定義です。

 

強者の戦略<ミート戦略>

 

ここでは、強者の戦略の1つである「ミート戦略」についてお伝えします。

まず、弱者と強者の戦い方は真反対に位置しています。180度違います。

弱者はまず、ランチェスターの法則である

【戦闘力】=【武器効率】×【兵力数】

このうち、「武器効率」を磨き、高めることが至上命題となります。武器効率を磨くこととはイコール、「差別化する」ということです。競合との違いを明確化することこそ、弱者が勝ち残る唯一の道といえるでしょう。

 

ですが、弱者はよく強者の真似をしてしまいます。大手・強者がやっていることにはマーケットがあるはずだ、またはそれが正解だと思い、模倣してしまいます。

これは、マーケットの成長期であれば有効な方法ではありますが、2番手以降であれば、何かしらの大きな差別化を行わなければ、販売に際して値下げは必至であり、大きく儲けることはできません。ましてや、成熟期にある商材であれば、利益なき戦いとなる可能性は否めません。

逆転を望むのであれば、差別化戦略こそが正解です。

 

一方、強者は弱者の模倣が非常に有効です。

つまり、「弱者のマネをすることで、弱者の差別化を無効化してしまう」のです。そうすれば弱者の差別化は差別化でなくなり、「誰が売っても同じもの」になってしまうので、ユーザーからすれば違いがわからなくなります。違いがないのであれば、単純に1位が選ばれる訳ですから、強者の勝利が続きます。

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この模倣戦略のことをランチェスター戦略では「ミート戦略」と呼んでいます。弱者の差別化を模倣する戦略です。

ここで大切なのは、弱者の差別化をいち早く察知し、すぐにミートすることです。差別化から時間が経ってしまうと、その差別化が浸透し、弱者に勢いが付いてしまいます。情報収集と、行動力がものを言います。

 

では具体的に、どのような差別化をミートしていけばいいのでしょうか。

 

【製品の差別化をミート】

弱者が製品の差別化をしてきたら、顧客が違いを認識する前に、強者は同等の製品、もしくは類似品を発売します。スピードが大切です。

 

【コンセプトの差別化をミート】

弱者が企画力、アイデア力による差別化を計った場合も、同等の企画を展開します。常に、競合他社を観察し、情報力をつけておくことが重要です。

 

【サービスの差別化をミート】

弱者がサービスの差別化をしている場合、それが効果をあげていれば、すぐに同様のサービスを行います。サービスは目では見えないものが多いので、細かく観察する必要があります。

 

【訪問活動の差別化をミート】

弱者が訪問活動やDMなどのチラシを使って、目に見える形の差別化をしてきた場合、強者はミートするだけでなく、物量で圧倒する必要があります。

 

【チャネルの差別化をミート】

弱者が異なるチャネルを使って差別化をした場合、それに先回りします。また、それ以前にチャネルの数を増やし、弱者よりも先手を打つことも必要です。

 

「ミート戦略」すなわちマネることは一見、簡単そうに思えますが、精密機械などに対してミート商品を投入しようとするならば相当な実力を要しますので、決して簡単なことではありません。

 

ミート戦略の有名な実例

 

居酒屋チェーンNo.1企業のモンテローザでは、ライバル会社やライバル店の「和民」「白札屋」「月の雫」対して、「魚民」「白木屋」「月の宴」という、そっくりな店名だけではなく、ロゴやカラー、商品メニューの細部に至るまでを模倣する、ミート戦略を仕掛けています。

これは裁判沙汰になったため、真似すべきではありませんが、絶対的な強者が行う「ミート戦略」の分かりやすい例の1つです。また、これを読んでいる方の中にも、ミート戦略で模倣された店に足を向けた人は少なく無いはずです。ミート戦略は、大きな破壊力を秘めているのです。

 

ミート戦略のまとめ

 

あらゆる企業が、市場を勝ち抜くためにあらゆる手段を使います。なんでもミートすればいいという訳ではなく、「この差別化が成功されると危険だ」と思われるもののみ、ミートしていく必要があります。しかし、どの差別化をミートするにしても、すべてに共通していることは「情報力」がとても重要だということです。強者になっても油断すること無く、他社の動きに目を向ける必要があります。

 

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