弱者の戦い方 差別化5原則 顧客の判断と掛け合わせ効果

弱者の戦い方 差別化5原則 顧客の判断と掛け合わせ効果

差別化の5原則その1では、差別化のために安易に価格を下げるべきではない、それは差別化にはならないということをお伝えしました。

ではどういった点で差別化を計るべきか、今回は差別化に関してありがちな失敗と、差別化の効果をアップさせる方法についてお話します。

 

5原則 その2 差別化の判断をするのはお客様

 

どのような差別化を計るか、考えるのはもちろん企業側です。しかし、それが本当に「必要とされる差別化」なのか、判断するのはお客様なのです。

例えばこんな失敗は、技術開発企業などによくあるパターンで、大手キャリアでさえも実際にあったことです。

「こんな凄い機能を持たせました!」

「他に無い画期的なサービスを付加しました!」

と、言葉では何とでも言えますが、販売したら全く泣かず飛ばずとなり、全然売れません。その理由は、その機能が凄いと思っているのは、企業側である自分達だけで、顧客にとっては魅力のないもの、価格に見合わないもの、つまり価値を感じないものだった、ということが多いのです。

 

単なる「差別化」と「売上に繋がる差別化」は違う

 

具体的な例をあげるならば、液晶テレビの3D機能が分かりやすいでしょう。これは、販売当時から賛否両論がありました。特に専用の3Dメガネを必要とする点が、一般家庭に受け入れられにくいのではないかと言う点です。そして実際に、これは大方の予想通り、「売上に繋がる差別化」とはなりませんでした。

そして次は4Kテレビという解像度の高い商品(横4,000×縦2,000前後の解像度に対応した映像もの・フルハイビジョンの約4倍)が誕生しています。しかし、4K規格の放送自体はまだ先となっており、細かな利点はあるものの、数十万円以上する4Kテレビを、今現在購入する人はどれだけいるでしょうか。液晶テレビが価格崩壊をし、数年前よりも格段に安く手に入るようになったこともあり、お客様目線で判断すると、すぐに「売上に繋がる差別化」にはなっていないようです。

 

一昔前のガラケーも同様です。中には非常に役立つものもありますが、各メーカーがこぞって使いきれない新機能合戦を繰り広げて、ユーザーには開発費を回収できぬまま機種変更を繰り返され、気付いた時には iPhoneなどの海外製スマートフォンに、その市場を奪われてしまいました。

もちろん日本キャリアも対抗してスマホを展開しますが、当初は、故障しやすい、使いにくいといった不便さも相まって、なかなか市場が広がりませんでした。今でこそかなり盛り返しては来たものの、現在の日本でのスマホシェアを見ると、iPhoneが依然として4割以上を占めていることからも、国内の大手キャリアやスマホメーカーでさえも、その差を縮めることが出来ないのです。

このように、差別化とは作り手(供給側)が判断するものではなく、顧客(需要側)が評価してこそ初めて差別化になるのです。

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ただ1つ付け加えるならば、売上を目的とした差別化としては上に挙げた例はどれも失敗と言えますが、新しいものを取り入れる、いち早く開発するということは、決して無駄にはなりません。それが企業のイメージとなり、ブランディングに繋がれば、良い効果をもたらすこともあり得ます(それはまた別のお話になります……)。

 

5原則 その3 差別化は掛け合わせで効果が倍増する

 

他社との決定的な差別化はそう簡単にできるものではありません。業界の世界観を180度、変える革新を生み出せるのであれば一番良いですが、現実はそうはいかないものです。だからといって何もしなければ意味がありません。大きなイノベーションを起こせずとも、小さな差別化を掛け合わせることで相乗効果は生まれるのです。

 

例えば、現在は同業他社の激しい追い上げにより業界2位に甘んじている牛丼の吉野家ですが、創業当時から「早い×安い×うまい」の三拍子を掲げ、このキャッチフレーズに基づいて「早さ」「安さ」「うまさ」の細かな差別化の掛け算により、日本の国民食として牛丼の確固たる地位を築きました。料理の提供が「少し早い」という一点の差別化だけでは、ここまでの成長は無かったと考えられます。

 

同様に、キュービーネット株式会社の運営するヘアカットQBハウスは、数ある激安カットサロンの中でも「早い×安い×近い」を提供しています。同業他店が早い×安いで売り出しているところを、QBハウスは駅構内やオフィス一等地に構えることで、さらに利便性を付与し、他社との差別化を図っているのです。

 

このように、差別化とは掛け算的に相乗効果をあげることが可能なため、小さな掛け合わせでも複数の差別化を重ねることで大きな効果を上げることができるのです。

 

まとめ

差別化とは、お客様が必要とするもので行う。当たり前のことのようですが、実際に前述のような企業側本位になってしまうことは少なくありません。日常、サービスを受ける消費者としての感覚を忘れずにいることが大切です。

そして、細かな差別化でも、掛け合わせで相乗効果を上げていくというやり方は、意外と強者にミートされにくく、長く生き残っていける可能性が高い方法です。

 

 

 

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