ランチェスター戦略 3つの結論 その2「一点集中主義」

ランチェスター戦略 3つの結論 その2「一点集中主義」

ランチェスター戦略の「グランドルール」2つ目は「一点集中主義」です。一点集中主義こそ、弱者が逆転しNo.1になるための最も有効な戦略です。No.1になりたかったら一点集中すべき、その理由と事例をご紹介します。



一点集中主義、集中すべきは「商品」「地域」「客層」

多くの企業では売上・利益を上げるためには戦線を拡大させればよいと勘違いしています。単純にテリトリーを広げ、お客様や取扱品目を増やせば増収に繋がると思っているのです。

確かに戦線の拡大は売上が増えるかもしれません。しかし、弱者のまま戦線を拡大すれば、どこにいっても負け組のまま値引き対象となり、かろうじて売上を確保するのが関の山、更に経費もかさみ、利益は全く出ないのです。

戦略とは選択と集中です。ここで勝つのだ、という自らの土俵を決め、そこに集中しなければなりません。

それが、ランチェスター戦略の3つの結論の2つ目「一点集中主義」です。では、どこに集中するか?それは「勝ちやすきに勝つ」を選択すればよいのです。

弱者であっても強みはかならずあります。勝てそうな部分を洗い出してみましょう。集中すべきは、

・商品

・地域

・客層

です。

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「商品」に集中した例

ある、ベルギービールのオンラインショップがあります。

同社は200種以上のベルギービールと100種類以上の専用グラスを取り扱う専門店で、とても小規模の会社ながら年商4,000万円と繁盛しています。しかし、始めから繁盛していたわけではなく、本業はリアルの酒屋さんで、ジリ貧状態の厳しい経営状況に陥り、ホームページで起死回生の大逆転を狙い決断したのです。

それは、ご自身が大好きな “ベルギービール”に特化したオンラインショップに生まれ変わることでした。ベルギービール以外は売らないという覚悟を決め、ベルギービールおよびその専用グラスの取り扱い品目をどんどん増やしていくのです。

さらに、自らベルギーに訪問し、旅行記を書き、生産者と触れ合い、商品にまつわる物語をコンテンツ化していきます。

そしていつしか品揃えにおいても、情報量においてもダントツのサイトとなり「ベルギービールといえば、このサイト。」という地位を築いたのです。

「客層」に集中した例

スポーツ用品メーカーASICS【アシックス】の前身、Onitsuka Tiger【オニツカタイガー】をご存知でしょうか。

同社の鬼塚会長は、1949年(昭和24年)に神戸で会社を興し、当時、最も難しいとされていたバスケットシューズの製造販売を生業としていました。国体やインターハイ、全国大学選手権などに積極的に出向いてPR活動を行い、有力選手には、商品を無償提供しました。監督やコーチには、使ってみて良さがわかると、地元の運動具店を斡旋してくれたそうです。そうなると運動具店も「オニツカ」を置かないわけにはいきません。すると、当然、問屋も、鬼塚(株)に注文を出さざるを得ません。

バスケットボールの一流選手が「オニツカタイガー」を履いているとなると、口コミで広がるのが、競技者の世界です。鬼塚会長が標的としたのは、一流選手および一流を目指す選手の層です。この層を攻略することで、あとは、自然に浸透していきます。結果として、競技人口の50%のシェアを獲得するに至りました。

「地域」に集中した例

小売店や・店舗ビジネスであればドミナント(高密度集中)出店が、一点集中主義に合致します。

店舗型でわかりやすいのは、セブンイレブンです。セブンイレブンジャパンはドミナント方式を取り入れ、店舗数No.1にも関わらず以前は32都道府県に絞って出店を展開していました。店舗数の多さの割には未出店の地域が非常に多く、そのために三大都市圏の一つである名古屋ですら21世紀に入るまで出店は無く、大阪への出店も1990年代以降と非常に遅い展開です。

しかし、店舗ごとに商圏を隣接させながら店舗網を広げることによって、そこから知名度をアップし、鮮度のよい商品供給が行えるというやり方は、非常に効率性・安定性に優れており、結果、全国47都道府県に展開している業界2位のローソンを、年商において引き離し、ランチェスター戦略が定義するNo.1となったのです。

また、製・配・販のすべてにかかわるドミナント戦略が特に威力を発揮するのは、顧客への心理的な効果です。

例えば、人口3000人のエリアに、(1)コンビニが1店舗だけの場合、(2)ドミナント方式で3店舗が出店した場合、この2つのケースで比較すると、1店舗あたりのターゲットは、(1)は3000人、(2)は1000人となり、(1)のほうが有利に見えますが、ここに顧客心理が作用すると逆転します。

(1)はコンビニへの認知度が高まらず、実際のターゲットは店の周辺1000人くらいで、店との心理的な距離感も縮まらないため、利用者は500人程度で推移する可能性があります。

一方、(2)は、地域の人が域内を移動するたびに「ここにも店が、あそこにも店が」と目に入って認知度が高まり、さらにエリア周辺にも出店が進むとさらに認知度が上昇し、あるレベルに達すると利用率が急速に上がります。1000人のターゲットのうち7~8割、700~800人が利用するようになり、収益力で(1)を上回るようになります。

結論「弱者は勝つポイントを定めて〈一点集中〉でやりぬくこと」

弱者はあれこれするのではなく、ここで「勝つ」と一点集中するポイントを定め、No.1になるまでやりぬくことです。しかし現実には多くの経営者はこの逆をやっています。戦線を拡大させることが儲かる方法だと思っているからです。

でもそれは間違いです。戦線を縮小し、領域を狭め、そこに経営資源を重点投入し第一人者となることのほうが、たやすくやりがいがあり、何よりも儲かるのです。

SFAの教科書@二階堂
株式会社ベンチャーネットにてコンサルティング問い合わせ窓口を担当している二階堂です。皆様のセールスフォースの導入などのコンサルティングをさせて頂いてます。導入された後の悩みなども受け付けておりますので是非無料ご活用下さい。

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